遙 洋子 Yoko Haruka

遙日記

テラミス

2020.11.14

ティラミス、と、発音できない友達がいる。

「お土産」と玄関で差し出されたのは、ティラミスだった。

 

「あ! これ、何と言うの?」

「テラミス」

「違う。ティラミス。ティって、言ってみて」

「ティ」

「ティラミス」

「テラミス」

「ティよ。ティーーー、って言ってみて」

「ティーーー」

「ティラミス」

「テラミス」

 

ティラミスは6個もあった。

「多すぎるじゃない。私一人なのに」

「以前、冷蔵庫に何もないって言ってたから、これなら一週間は持つから、何もない日でも、せめてテラミスは食べられると思って・・・」

 

毎日毎日、ティラミスばっかし食えるか、とは言わず、食べたら美味しかった。

ありがとう、と、言うのだけ、忘れた。

 

 

 

 

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