遙 洋子 Yoko Haruka

遙日記

施設で泣く

2024.04.15

老人施設に行く。

日舞の師匠がそこにいる。

施設はまるで老けた幼稚園児の集団のようだ。

ヘルパーさんは、幼稚園の先生がスーパーしっかりした感じ。

「先生」

「洋子さんっ。生きてたのっ」

「生きてる。私も先生も」

そう言って、涙する。

戦時中に離れ離れになった肉親と遭遇したみたい。

「なんで、突然、みんないなくなったのかと思ってた」と先生。

 

 

なるほど!

 

 

こっちは、「施設に入った」と知っている。

でも当事者にとっては「突然、誰もいなくなった」だ。

膝を打つ主体性だ。

だから私を見て、「生きてたの!?」になるのは当然。

私もまた突然、彼女の前から姿を消したことになる。

お別れを言いに行ったのだけど、

また来ようと思った。

 

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