遙 洋子 Yoko Haruka

遙日記

フツーであることの喜び

2021.10.17

もうみんなにバレたみたい。

ロッカーにいると、外でみんなが私のこと喋ってるの聞いた。

もうフツーは終わったのだなと知った。

レッスン終わり、先生が近づき、「今日は元気がない」と心配してくれた。

先生はすごい。生徒の心模様までお見通しだ。

 

美容院に行く。

「頭のここがかゆい」と頭頂部を指さした。

シャンプー時、「どこですか」と聞くから、「ここ」と泡だらけの髪に指を突っ込んだ。

指が泡だらけになった。

シャンプー台で人差し指を立ててじっとしてたらタオルくれた。

「あ。どこでしたっけ」とまた聞くから、また指を泡に突っ込んで「ここ」と言った。

今度は指をそのまま頭の上に掲げ、じっとした。

思惑どおり、立てた指にシャワーかけてくれた。

「お客さん、過激すぎます。こんなお客さん初めてですっ」

二人でケタケタ笑い続けた。

もう美容師さんは私に聞くこともなく、写真を撮りだした。

助手まで使って、真剣に写真撮った。

「しまったっ。トリートメント前の髪の写真撮るの忘れました」

「前撮ったじゃない?」

「毎回撮ろうと思ったんです」

「熱いね。燃えてるね」

また二人でケタケタ笑った。

 

フツーの会話を楽しんだ。

 

 

 

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