遙 洋子 Yoko Haruka

遙日記

大師匠の旅

2021.05.30

大師匠から電話。

「今な、君のお勧めの山に登ったよ。家族で」

「ちゃんと着けましたか?」

「それが、山の生活道路を走ってしまい、車がすれ違えずとても怖い思いをした。で、ここでええのんかいな」

「違います! 道も違えば到着地点も違う。ホテルもあれば、神社もあり、温泉もあります。ないでしょ?そこ」

「なんもない」

「今から私、行きますからっ」

「いや。孫がナビ見るから。ホテル目指すんやな」

「そーです。そこで神社散策し温泉入りお茶するのですっ!」

「わかったわかった」

 

3時間後。

「いけたよーーー。ホテル」

「で、神社散策と、温泉と、お茶しましたか」

「いや、疲れて歩けなかったんや」

「道に迷い、車とすれ違えず、恐怖で疲れ、神経がすり減り、で、歩けなかったんでしょっ」

「そーや。ひゃひゃひゃ」

「頂上で楽しまず何のために山に登ったんだか・・・」

「僕はな、君みたいに楽しむことに貪欲じゃないんや」

「あーーーもったいな」

「で、来週は、次に君が勧める山に登るわな。そこでは僕は何を食べるんやったかいな」

「葛切りですっ。くずきり。絶対食べてくださいよっ」

 

来週の日曜日も、ドキドキして電話を待とう・・・。

 

 

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