遙 洋子 Yoko Haruka

遙日記

アホな兄弟の会話

2021.02.10

「お前のマンションに農家の野菜を届けたぞ」と兄。

山盛りの野菜だった。

「俺は今夜はホウレンソウの卵とじや。キャベツは生で食え」

その通りにマネした。

俺ら生きてるぞーつ、と叫ぶホウレンソウを、鍋に入れた。

そこに卵入れた。

私の卵とじは、完成したら、ホウレンソウが溶けて、ホウレンソウ雑炊みたいになっていた。

失敗した。

最初に卵だったんだ。最後にホウレンソウだったんだ・・・。

溶けたホウレンソウが小声で言った。

 

俺ら、死んだぞ・・・。

 

「ブロッコリーは、少し煮たらすぐあげて、冷凍庫に入れろ。残りは冷蔵庫やぞ」と兄が言った。

私の心は穏やかではない。

なぜ、少し、煮たらなんだ。なぜ、「少し」なんだ。

少し、ということは、食べる時、また火を通せ、ということか?

で、なんで、冷凍庫と冷蔵庫なんだ?

不安だ。不安でたまらない。

眠れそうにない・・・。

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