遙 洋子 Yoko Haruka

遙日記

私の嗅覚が選んだモノ

2021.12.10

最近、バスソルトをプレゼントする機会があった。

たくさんの人にあげた。

すると、「包みからフィレンツェに行った時と同じ香りがしました」というメールがきた。

私もフィレンツェに行ったことがあるが、そんなこと知らない。

今日、また同じ店に行った。

「ここのバスソルトって、イタリア産?」

「そうですよ。フィレンツェが本店で、創業800年になります」

「は・・・はっぴゃくねん?」

「そうですよ、今年でちょうど、はっぴゃくねんです」

 

お礼状ひとつにもその人の教養がでる。

私はただ「ああいい香り」というだけでプレゼントしたのに。

これがフィレンツェの香りだと知る人がいる。

 

いつもは業務用令状しか来ない人からメールがきた。

「私には縁のないお洒落な世界を知ることができた」だって。

プレゼントは楽しいな。

自分の嗅覚だけで選んだ商品なのに、それがフィレンツェだと教えてもらい、いかに人の心を揺さぶるかを後で教えてもらう。

 

「バスソルト使った?」とスタッフに聞いた。

「ん? まだ」とスタッフ。

知らないということはこーゆーことだ。

これが、800年前のフィレンツェの香りだと知ると、きっとすぐ使うだろう・・・。

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