遙 洋子 Yoko Haruka

遙日記

結婚を控えた私

2021.10.10

美容院に行く。

「今日はナタデココ買えなかった・・・」

「お客さんが前回買ったのは、タピオカですよ」

「えっ! ナタデココじゃなく、タピオカだったのお!?わあああ!ずっとナタデココって思ってた。タピオカぁぁぁぁっ!?」

「ふふ。可愛い」

いつもの美容師さんだ。いつもそう言ってくれる。

トリートメントが終わると美容師さんは「ちょっとすみません」と言ってマスクを外し汗を拭いた。

ドライヤーとかアイロンとか、熱いものを扱うからだそうだ。

マスクを外すと、美しい女性だった。

マスクは二度楽しい。目の美しさを楽しみ、次は、下半分。

「私・・・嫁ぐみたいだね」

「え?」

「だって、汗だくで私の髪を整えてから、カラーの魔術師に託そうとしてくれてる。これ嫁がせるみたいじゃん」

「今日も写真撮らせてください。なんか飲みます?」

じっとしてるのが苦手だともう理解してくれている。

じっとさせるには、何か与えたほうがいいと理解してくれてる。

飲み物を与え、ああでもない、こうでもない、と、写真を撮る。

「これからもっときれいになるの?」

「そうです。その髪がうらやましいです。枝毛がない」

人生で初めて髪にカネかける。

あと3回、トリートメントして・・・・嫁ぐ。

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