遙日記
私は遙洋子ではありません
2021.09.12
ダンススタジオの前に行くと、私に声が飛ぶ。
「早くっ早くっ、もう人数制限の最後よっ」
みんなから「早く早く早く」と叫ばれて列の最後に加わった。
最後のひとりとして参加することができた。
人間関係は面白く有難い。
私のためにみんなが焦り、声あげてくれる。
嬉しく有難く面白く、感謝した。
初参加の男性が先生にひそひそ言ってる。
私のことだ、と気づいた。
レッスン後、ロッカールームで先生から確認される。
「いいえ。私は遙洋子ではありません」と返事する。
その後、小さな声で耳打ちした。
「黙っててほしいんです・・・」
この意味はなかなか理解されない。
せっかくできた人間関係が、瞬時に変化する。
先生も変わる。
「先生、普通にしていただけませんか・・・」
せっかくみなと仲良くなれそうなのに、フラッと来た人の一言で大切なものが壊れる。
そんなもんだ、というのも知ってる。
音楽消して運転して帰る。
トンカツ作る。また黒こげトーストになる。
なにこのフライパンッ。