遙日記
銭湯物語り
2021.06.10
ジョギングしたらそのまま銭湯に行きたくなった。
入り口に「サウナ100円」と書いてある。
番頭さんがいた。
「サウナ入ります・・・」と消え入りそうな声で言った。
昭和で時が止まったような銭湯だった。
ほとんどの鍵が壊れたロッカー。
常連さんのシャンプーリンスが並ぶ棚。
毛染め禁止、の張り紙。
子供時代にフラッシュバックした。
その時は番頭さんに「髪洗います」と言って20円だか払った。
サウナは温度計が110度になってる。あり得ない温度だ。
サウナ時計は壊れてた。
風呂を出たら、後ろのお姉さんが叫んだ。
「私が最後でーーーす」
すると番頭さんの「はーい」という声。
ここではラストの客はそれを番頭さんに大声で伝えるらしい。
「ご飯炊きすぎてな・・・」と主婦。
「卵焼いて海苔巻きしよう思てな・・・」
「そうそう。卵だけで美味しいやん。それでええねん」
「夫が出かけるから、ほな三つ葉買うてきて、言うてな」
・・・立派な海苔巻きになっとるやんけ・・・
という突っ込みを飲み込んで帰った。