遙 洋子 Yoko Haruka

遙日記

視聴者さんはすごいのだ

2021.03.15

久しぶりの宴席に出た。

初対面の一般男性が、私に芸能界を語ってみせる。

「〇〇という芸人は僕、嫌いですねん。昔、こういう発言をテレビでしましてね。それから大嫌いになったんですわ。遙さんは、その芸人、どうです?」

「嫌いです」

「△△という作家、僕、大嫌いですねん。遙さんどうです?」

「嫌いです」

「それとね、◇◇という・・・」

 

一般の視聴者が、なんという洞察力か・・・。

彼の、テレビを通じての芸能人評は、ほとんどが、我々の内部情報と一致する。

尊敬する先輩タレントさんが言っていた

「視聴者はアホちゃうで」という言葉。

腹黒いタレントが、腹黒さを隠せると思っていても、ちゃーんと視聴者は見抜いている。

そう信じてきたが、それを確信できた一夜だった。

・・・なんだ。全部、見えてるじゃん・・・

私には、宴席の料理よりも視聴者の声が一番のご馳走だった。

 

視聴者さんと会って喋る機会はほぼない。

一般の人で仲間内の人とは芸能界を語ることはあるが、しょせん私の仲間だ。

辛辣な感想も、私にだけは優しい。

でも、面識のない一般の視聴者さんが番組の感想を語り出した時、その的中率に腰を抜かした。

・・・これほど見抜かれていたのか・・・

 

痛快だ。とにかく痛快だ。酒もうまいし、筆も走る。

 

 

 

 

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