遙 洋子 Yoko Haruka

遙日記

男の手料理を食す

2024.05.11

兄の手料理を初めて食べる。

メインディッシュは・・・

 

 

ハムとウインナーだった。

 

 

「お兄ちゃん、これ、ガンのもとなん、知ってた?」と聞く。

「知らん」

ハムは分厚く焼き目がつく。ソースはケチャップと辛子だ。

 

私たちがまだ中学生の頃、兄が得意げに言った。

「洋子知ってるか?ハムは分厚く焼いたら、ハムステーキになるねんで!」

・・・兄はあの時のままだった。

兄の中で、ずっとハムステーキはご馳走だったのだ。

他に・・

硬すぎるニンジンのぬか漬け。味のしないカボチャ。食べるところのない魚の頭の煮つけ。

「いつもこんなん食べてるん?」と聞く。

「今日はいつもより3皿多い」

ちゃんと包丁で切り目を入れたウインナーを、中学時代を思い出しながら口に入れる。

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