遙 洋子 Yoko Haruka

遙日記

水風呂の出会い

2022.03.17

そうだ。やっぱりこうなる。

「あのーーー」と婦人が私に近づく。

サウナの水風呂だ。

「すみませんけど・・・」

こういうフレーズで距離が縮む時には、次の言葉はこれだ。

「遙洋子さんじゃないですか」だ。

だが、今回は違った。

「その髪の色・・・きれいですね・・・」

「あ。ありがとうございます」

「それって、いったい何色・・・」

「何色というか、脱色です。脱色」

「だっしょく・・・?」

そこから婦人は相談モードになった。

「私、そんな色にしたいんですけど、パーマかけたんです。美容師さんが、パーマか毛染めかどっちかだというので」

わかる。美容院をはしごし続けた私だ。

「美容師さんは、髪が痛むことをしたがらないんですよ」

「私・・・脱色したら、パーマとれますか?」

・・・なんで私に聞くんだ・・・

「わからんけど、客がそうしてくれというのだから、してくれ、と言えばいいのでは?」

「そーですかっ。そーですよね」

まったく、どこの美容師さんも、保身ばかりだ。

気づくと・・・

 

くちびる、真っ青になってるやーーーん。

水風呂は1分と決めて入ってるのにぃ!

share

Tweet

  • 猫様のお言葉
  • 日経ビジネス電子版