遙 洋子 Yoko Haruka

遙日記

豚に真珠のエステ

2022.03.02

施術後、エステティシャンに聞いた。

「これ、きれいになったという人、いるんですか?」

エステティシャンは軽い悲鳴のような声をあげて言った。

「みなさん、きれいになったと言いますっ」

「私だけ?なんも変わらない・・・」

「お客様だってきれいになってますっ。もともときれいだから、気づかないだけですっ。ほら!」

そう言って、手鏡を私の顔に向けた。

見ろ、ということだ。

見た。でも、なんもわからん。

「見てもわからんから・・・」

エステティシャンはちょっと怒気をはらんだ声で言う。

「この機械はね、いっちばんいい機械を導入してるんですよっ。私もやってていいなぁ、と思いながらやってるんです!」

そーなん、と気のない返事をして、帰ることにした。

カーテン隣で施術中の客と担当者が楽しそうに会話してる。

私の担当者も「変化ありましたか?」とか会話を試みた。

でも私は、「別に」と会話を終わらせた。

「気になる部位はありますか」

「別に」

「特にこうしてほしいとかありますか」

「フツーでけっこうです」

そして会話は終わった。

その挙句の、「これ、効くの?」だから、そりゃ怒るわな。

私には、エステの価値や意味がわからんのよ。。。

 

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