遙 洋子 Yoko Haruka

遙日記

法事とヘビメタ

2022.02.23

法事だ。

遅刻する。

黒い服と思ってたら気が付けばヘビメタの黒、チェーンだらけのファッションになった。

お経が聞こえる。

玄関の音に気づいた誰かが、そっとフスマを開ける。

私のいで立ちに兄嫁たちが黙って目を大きくする。

パンツもチェーンだらけだから正座ができない。

私が動くとチャラチャラと金具の音がする。

「洋子や」「洋子や」と小声のさざ波が起こる。

法事が終わり、姉が聞く。

「その恰好はどうなってるの」

「ファンキーな妹で楽しいやろ」

 

食器洗い機に入れる前に洗剤でグラスを洗う姉を怒る。

「なぜ洗う前に、手で洗うのか」

「ちょっとやから洗うねん」

「ならもう食洗器に入れず、手で洗えば?食洗器入れるのだから洗わんでええねんっ」

 

仕出し屋さんを頼んだのに、ずっと動き続ける姉たち。

「だから、ほっといたらええねんっ」

「おつゆを捨てるだけ。食器を重ねるだけ・・・」

 

・・・食洗器があろうが、仕出しを頼もうが、結局は習性のように動くのだ。

だから・・・法事は嫌いなのだ。

 

 

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