遙 洋子 Yoko Haruka

遙日記

年末のご挨拶まわり

2021.12.30

日舞の師匠にご挨拶にいく。

川西能勢だ。本当に遠い。

20代を電車とバスと徒歩で通った道。

雪に転びながら通った道を今は車で行く。

師匠はもう80代だ。

ほんの少し私のことを忘れておられる。

喋ってると「思い出した」と言う。

こたつにはミカンとお菓子とお茶が並ぶ。

帰る時には、お菓子をてんこ盛りと、ミカン全部と、そこらへんにある食材をみんな持たせてくれた。

まるで嫁いだ娘が実家から食材をかっさらっていくようだ。

 

玄関で見送りながら師匠は言う。

「あんた、ええ車買うたなぁ」

・・・もう10年乗ってる・・・

 

バックミラーで後ろを見る。

師匠が私の車が見えなくなるまで見送っている。

夕暮れと少し腰の曲がった師匠とを目に焼き付けておく。

 

みかん食べながら運転する。

 

 

 

 

 

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