遙 洋子 Yoko Haruka

遙日記

お客様とエロ本と。

2021.12.24

エロ写真本がダイニングに置いてあった。

リビングでは兄や姉が接客してる。

エロ写真本をパラパラめくって見た。

気づいた兄が叱った。

「女の子の見る本ちゃう!!」

 

兄の中では私はまだ、女の子、なのだ。

そういえば、学生だったこの兄の部屋でもエロ本を見た。

兄は高校生から高齢者になってもまだ、エロ本を手放さない。

身体はすっかり枯れた老齢なのに、頭の中はまだ高校生。

だから私のことが女の子に映る。

 

「お客さんにお茶入れて」と姉が兄に言う。

「え?男の俺が入れるの?」というから、私が入れた。

慎重に緑茶を入れた。

湯呑をそれぞれのお客さんに置いた。

みなさんが「あ。すみません」と言った。

で・・・湯呑を乗せるお皿を、後で差し出した。

みなさん「あ、すみません」と皿の上に湯呑を置いてくれた。

 

みんな帰った。

誰ひとり、私の入れたお茶を飲んでくれなかった。

・・・なんでっ?・・・

 

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