遙 洋子 Yoko Haruka

遙日記

人数制限の百貨店にいく

2021.08.20

結局、こんな食事になった。

京都祇園いづうの鯖寿司。

竹園ホテルのコロッケ。

〇〇茶屋の麩料理。

はは。

味は全部完成しとる。

料理に疲れたら、大昔から美味さで有名な食材になる。

美味しいが、並べると品目に脈絡がない。テーマがない。

好きなものを並べただけでは、居酒屋さんと同じだ。

 

百貨店の地下食料品街で、エレベーター横のベンチに座って、疲れた顔で、パフェを食べてるご婦人がいた。

わかるよ。わかる。

コロナ禍を出てきた百貨店。人混みをかき分け人数制限の食料品街で買い物したら、甘いモノが食べたくなった・・・。

これはもう、戦時の闇市に似てる。知らんけど。

空襲を警戒しながら買い出しに来た闇市。警察の目を恐れながら買い物したら、甘いモノが食べたくなったはずだ。

やがてはロックダウンになるかも、という不安は、やがては食糧供給がなくなるかも、の、戦時に近い。知らんけど。

ひたひたと、買い物できなくなるかも、の不安がよぎる。

戦時も、皆、自分の勘だけを頼りに、今何を確保しておくかを思案したに違いない。

竹園のコロッケ食べた時は幸せだったなぁ、と。

あ。祇園のいづうの鯖寿司は、何度も戦時をくぐり抜けてる。

倒産する料理もあるが、戦時をも生き抜く料理もある。

コロナをくぐり抜けた時、どの料理が生きてるだろう。

 

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