「視力検査でマルって言ったら、マルじゃなく穴を言えっていわれた」と兄嫁に語った。

兄嫁は、「あんたの兄さんは病院で医師に、なんで来たと聞かれて、車で来た、と言って叱られた」

と教えてくれた。

兄弟そろって、社会不適合みたいだ。

土砂降りの雨の中、兄たちを車に乗せた。

兄が「タオルは！」と叫ぶ。

兄嫁が「ハンカチあるわっ」と叫ぶ。

「タオルはトランクに一杯あるよ」と返事する。

「なんでトランクなんや！　車の中に置いとかなあかん！」

「もうティッシュでいいわ！」と兄嫁が叫び、突然、私の身体がティッシュだらけになった。

兄たちは自分ではなく、私を拭こうとしたようだ。

私は雨でシャワー浴びたようになった。

兄たちは私が傘さしたから濡れてないのに、なんで叫ぶんだと不思議だった。

顔も頭も破れたティッシュだらけになって、思った。

兄たちは、私がどれほど雨好きかを知らない。

下着も靴も水でグチュグチュになることが、どれほどワクワクするかを知らない。

雨のシャワーを浴びた私は、小躍りしたいほどだというのに。

日頃、雨が降ると、濡れに外に出る。

・・・社会不適合か？・・・