遙 洋子 Yoko Haruka

遙日記

夜のサングラス

2021.05.28

夜にサングラスをかけるもんじゃない。

つい、いつもの癖で、サングラスかけたまま、駐車場に行った。

駐車券を出し、支払機に入れようとしたその瞬間、大きな何かが動いた。

動物だ・・・。

 

「わあああっ」と叫んだ。

動物も「きゃあああっ」と叫んだ。

・・・人間だった。

 

私の叫び声に驚いて声を上げたのは、女性の駐車場スタッフだ。

支払機の横で、蝋人形のように固まってうずくまっていた。

まるで、機械の一部と化して・・・。

 

「びっくりしたぁぁ。人間だった・・・」

「わあ。すみません。驚かせてすみません。めったにお客さんが来ないもんですから・・・」

いや、悪いのは私だ。

夜にサングラスかけたから、人間が見えていなかったのだ。

 

昔からサングラスを愛用してきた。

今では、マスクも追加され、まるで泥棒のような仕上がりだ。

目も鼻も口も閉ざして、なんか、大きなものを私たちは見落としていないだろうか。

 

・・・ってか、人間を見落とした。。。

 

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