ボディビルジムに行った。

会長がコーチしてくださった。

ひときわ見事な身体の男性を会長が呼びつけた。

「彼もコンテストのチャンピオンやで」

まるでキン肉マンじゃないか・・・。

「彼の筋肉さわってみ」

「うわ。カチンコチンだ。今何のトレーニングしてたんですか？」

「腹筋です。次しますか？」

もう、このジムに来て、何千回、この会話をしただろう・・・。

 

「嫌です。腹筋きらい」

 

キン肉マンが、会長に近づき、話しているのが聞こえた。

 

「会長・・・手ごわいのを入れましたね」

 

会長はニタニタ笑っている。

キン肉マンは私のところにきて、言った。

「腹筋嫌いだけど、この身体になりたいんですよね」

「そうです」

また会長のところに行った。そして言った。

「会長・・・腕の見せ所ですね」

 

マシンで首をシコシコ鍛えている私のところに会長が来た。

「このマシンを使う女性は、君ひとりやで」

「私、これ、一番好き。楽しい」

二人で、ひゃっひゃ、と笑った。

私は手ごわくなんかない。チョーご機嫌だ。