遙 洋子 Yoko Haruka

遙日記

アホか賢いかすぐわかる

2020.12.09

「それはな、時期ソウショウや」と私が言うと、ZOOMで友達が、

「時期ショウソウ、や」と教えてくれた。

別の友達が「どっちでもええやん」と言った。

「あかんがな。人前で話しする仕事やのに、正しい日本語使わなきゃ、で、時期ソウショウ? え? ショウソウ? 」

「時期ショウソウ!」

「どーやって覚えたらいいのん? ソウショウ? ショウソウ? 」

「聞く人はわかれへんで」

「わかるわっ!」

「遙さんさぁ、ちょっと前まで、ロラン・バルト、ロラン・バルト って言ってたの、あれどーなったん?」

「え? ロラン・バルト? なんで突然、ロラン・バルト?」

「遙さん、ロラン・バルトならもう50本も映画見たって言ってたじゃんっ」

「それ、アランドロンよっ。なんでロラン・バルトとアランドロンを間違えるのよつ。ロラン・バルトは言語学の知の巨人だよっ。アランドロンは映画スターだよっ。なんで間違えるんだよっ。ラン、しか合ってねーじゃんっ! あんたがアランドロン語るのって、時期ソウショウなんだよっ。え? 時期ショウソウ? があああっ。どっちやぁぁぁ」

「どっちでもええやん」

「だから、あかんてっ」

「なんで遙さん、ロラン・バルト知ってるの?」

「私のゼミ発表の時がロラン・バルトだったから、よーく覚えてるんだよっ。ちんぷんかんぷんだったわっ」

「そーだった、そーだった」

「アンナ・ハーレントは、好きな学者よ」

「ハンナ・アーレントよっ!」

「え??? アンナ? ハンナ? どっちやぁ!」

「どっちでもわかれへんて」

「わかるわっ!!」

「もう、下の名前だけ言っとき。アーレント、って」

「そんなのダメだってば! 人前で話す仕事だって言ってるじゃんっ。アンナ・ハーレント? ハンナ・アーレント?どっちやぁぁぁ」

「ひゃっひゃっひゃっ。ばーか」

 

男友達が来た。

「遙さん、前に言ってた、ブルートゥルース、接続の仕方、教えてくれませんか」

「あのね、ブルートゥース。トゥルースじゃないの。ル、いらないの。ブルートゥース。言ってみ」

「ブルートゥルース」

「ル、一回でいいんだってば! 賢そうに見せようとして、アホですって、自分で言ってるよ」

 

言葉は難しい。。。

 

 

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