遙日記
兄弟と喋る
2020.11.20
画家の兄と喋る。
「この絵、持って帰れや」
「嫌。好きじゃない」
「これは?」
「嫌。横長の絵ない?」
「ない。縦長ならある」
「あ。これが気に入った。これ好き。これ私の部屋に横向きに掛ける」
「これは、縦に書いた絵。横向きの絵じゃない」
「縦でも横でもわからないやん。私はこれを横に掛けるんだ」
「いやぁぁぁっ!」
「ばれないって」
「僕にばれる」
「誰も気づかないって」
「いやぁぁぁっ!! 僕の気持ちがいやっ。プライドやいやっ」
「私は縦の絵はほしくないんだっ。横の絵がほしいんだっ」
「じゃあ、額だけ横にして中身の絵を入れ替えるっ。明日取りに来てっ」
帰宅後、兄に電話した。
「縦でいいよっ。縦のまんまで。ちょうど縦長の絵がすっぽりはまる場所を見つけた!」
「どこ?」
「トイレ」
「ト・・・いやぁぁぁっ!!!」
兄弟は、めんどくさい。