遙 洋子 Yoko Haruka

遙日記

なんだその髪はっ

2025.06.17

20代の頃からお世話になった元プロデューサーの男性と会う。

「ようこちゃんは、もっと普通でいいのに、と思った」という。

画面に映る私を指しての感想だ。

もっとフツーに黒髪で、もっとフツーにトラッドな服で・・

「髪の色はそのままいくのか?」

私は語気を強めに反発した。

「私はぁ、気が済むまで、金髪を伸ばしたいのです。気が済めば、それから先はそん時、考えます」

横ではそのプロデューサーの妻がクスクス笑う。

反抗期の娘みたいな形になった。

プロデューサは続けた。

「そう思ってたけど、今、画面を見て、このままでもいいのではないかと感じた」

え?と喜ぶ私に、「これもありかな、と思った」という。

 

認めてもらった反抗期の娘の喜びというか・・・

とっても嬉しかった。

20代、アシンメトリーに左右異なる髪型にした時、このプロデューサーの指示で、髪を切られたことがある。

「なんだその口紅の色はっ」てなこともある。

常に「なんだそれはっ」と、私の外見を気にしてくれてきた。

80代になり、いまだに、私を注視してくれている元プロデューサーに、今は感謝のみだ。

 

 

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