「遙さんは宝塚の人ですか？」

「いえ。私が歌って踊れるように見えますか？」

「見えます」

「喋ることしかできませんよ」

石破茂さんと私とのかつてのメイク室での会話だ。

温厚なイメージしかない。

「総理になれれば、部屋見せてくださいねっ」

「いいですよ」

そんな日がくるとは思わなかったからできた会話だ。

夢は叶う。

そう思わせてもらえた一日だった。

落ちても落ちても手を上げ続けることの大切さ。

彼はとてもよい総理になるんだと思う。

権威主義は一ミリも感じさせない人だった。

政治にまた興味が湧いた日。