遙 洋子 Yoko Haruka

遙日記

すれ違い際の一言

2024.06.18

地下街では異様な光景だった。

大柄の女性が、5人の警察官に囲まれて移動していた。

見ると、女性の片頬が赤い。

・・・殴られたのか・・・

しかし、たかが女性ひとりに、5人の男性が囲むって変だ。

違和感とは、女ひとりに男5人の構図だ。

これが暴れる男性なら違和感なかったと思う。

 

 

女ひとりに、寄ってたかって・・・

 

 

私にはその構図が暴力的に見えていたたまれなかった。

女性が私とすれ違い際にポツリと言った。

 

 

「めんどくさいなぁ、もお・・・」

 

 

わかるよ。わかる。なんか知らんけど、わかるよ。

大げさだし、別に人を殺したわけでもないのに、ここまでするか、と。

そんな気持ちなんやね、と、わかった。

その証拠に、別に手錠もかけられてない。

今の時代はね、暴れたら、面倒なことになるんよ。

わかるよ。わかる。

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