遙日記
愛は突然に・・・
2024.01.27
口紅を手に試した直後だった。
そっと、化粧水をつけたコットンを差し出された。
「どうぞ」
「あ。ありがと」
店員さんは、まだとても若い。そして美しい化粧だ。
あなた、と呼ぼうか。お姉さん、と呼ぶには年下だ。
「お嬢ちゃん、その化粧きれいね」
店員さんは笑い、「もうお嬢ちゃんじゃありません」と言った。
「じゃあ、お嬢さん、かな。その化粧教えてくれない?」
二人で鏡に並んだ。
「うわあ。お嬢さんと並ぶと、私スッピンだ」
「お客さん、もっと書いてもいいですよ」
そこから、店員さんお勧めの化粧品をいくつか買った。
今時のラインの引き方、ファンデの選び方、頬紅、etc…
店員さんがおもむろに言った。
「私、お客さんがお店に入ってきた時から、好きだ、と思いました」
コクられたぞ・・・
「また来てください。パックたくさん入れときました」
「私、パックしないんだ」
「じゃあ・・・化粧水、二本入れときますっ」
家で見たら、たくさんサンプル入ってた。
愛のプレゼントだ。
街歩きは楽しい。