毎年、昔お世話になった日舞の師匠に挨拶に伺う。

ある年に、股関節の手術をされた。

歩けるようになられた。

またある年に、脳血管のご病気になられた。

コロナの時代になり、家を出られなくなった。

年々、かくしゃくとした強さが消えた。

昨年、一瞬、私のことが誰だかわからなくおなりになった。

そして今日。

電話に誰もでなくなった。

「施設に入りました。面会はできません」

それが今年の師匠だ。

面会のできない施設って、なんだ・・・。

でも、年明けでも私は行く。

きっと行く。

19歳の時から見てきた背中を、また見に行く。

年末のご挨拶に、走り回った一日。

「こんなギリギリにすみませんつ」とお品を渡す。

そして「みかん届いたで」と実家から連絡。

みんな、ギリギリだ。ははは。