遙日記
姉と街歩き
2023.08.02
「遙洋子さんですね」
そう声かけられて、久しぶりに聞く名前だと新鮮だった。
ほら、あの人、とかじゃない。フルネーム。
姉が横にいた。
「義理の妹なんですよ」と姉が言う。
すると、
「結婚したらそこに遙洋子さんがいたらびっくりしたでしょう」
姉はあきれて言う。
「私が結婚した時、この子はまだ幼稚園でした」
私と姉で爆笑だ。
高齢になった姉。
「買い物したいものは?」
「ない」と姉。
「百貨店で服買う?」
「買っても行くとこない」
「ジャージ買う?ジム行く時用」
「いらない」
私は服がほしい。靴がほしい。ジャージもほしい。
ウキウキするもの全部ほしい。
やがてそれは、若さと健康がほしい、に、変わるだろう。
逆を返せば、服がほしい、と言ってる間はまだ、若造、ということだ。