後輩から誘われる。

新地の鉄板焼き屋さん。満席だった。

串カツ屋さん、満席だった。

ああ、コロナ以前に戻ったのだな、とわかる。

新地をあきらめファッションビルのレストランフロアに行く。

ちょうどいい価格帯は、「満席なんです」。

ちょっと値の張る店は、「どーぞどーぞ」だ。

数千円の差で、満席か空席かに分かれる。

ファッションビルは若者が多い。

若者の懐具合は、数千円が左右する。

私が選んだ天ぷら屋さんは、大人客だけだった。

静かに、おいしく過ごせた。

大人向けの店とは、子供だましじゃなく本気に美味しい店。

そういう店が極端に減った。

いい店を見つけた。

「遙さん、こういう店見つける嗅覚すごいですよね。昔から」

と、後輩。

いったい何年、グルメリポーターやってきたと思ってるんだ。

美味しい店は、玄関から美味しい。

そして、美味しい店は、ちょっとだけ高い。