遙 洋子 Yoko Haruka

遙日記

主婦の高笑い

2023.02.23

実家にいく。

以前から添加物入りの炊き込みご飯はいらないと言ってる。

実家で食事はしない、と宣言もしてる。

ところが・・・だ。

キッチンからゴボウと鶏肉のいい香りが・・。

「ゴボウと鶏肉の炊き込みご飯を作ったよ」と姉。

重ねて言う。

 

「添加物は入ってないからね」

 

家では食事をしない妹に、どうしてもメシを食わせたいワケだ。

他の姉も来る。

以前はその姉の作った蟹飯を食べた。

「お姉ちゃんの蟹飯食べたよ。添加物ないっていうから」

「あれ?蟹飯のモトで作ったから添加物あるよ」

「えええええっ」

 

炊き立てのゴボウ炊き込みご飯をタッパーに入れてもらう。

帰宅後・・・

食べてもーたやーーーん。

炊き立ての炊き込みご飯、添加物なし。

これ食べたら、あらゆる覚悟が霧と消える。

死にたいと思っても、炊き込みご飯食べたら生きようって思う。

主婦の本気は、妹の覚悟や決意をあざ笑う。

食べ終えた罪悪感でため息つく時、主婦の高笑いが聞こえる。

 

 

 

 

share

Tweet

  • 猫様のお言葉
  • 日経ビジネス電子版