遙 洋子 Yoko Haruka

遙日記

テレビの底力

2023.02.19

テレビの誠実さはドキュメンタリーにあるのではないか。

「冤罪」テーマを見た。もう2度目だ。

刑事は匂いたつ刑事魂を感じる。

記者には食らいつく記者根性を感じる。

弁護士には死刑でもあきらめない底意地を見る。

そして初回から気になっていた素人さん。

・・・なんで他人事なんだ・・・

誰かは指摘しないが、他人事なのだ・・・。

こういう「印象」は侮れない。

事件は事実を見るが、人を印象で見ると見え方が違う。

いたいけな子の遺体を見るのも、親の慟哭を見るのも、刑事だ。

「涙」を見てきた刑事の証言。

弁護士は「証拠」を見てる。

記者は「取材相手」を見てる。

私が最も「印象」で胸打たれたのは・・・

涙を見た刑事だ。警察の上層部じゃない。

現場の刑事の班長くらいの人。

その人が最も「涙」を見てる。

 

印象は証拠にならない。印象でしかない。

文章にも写真にもできない印象に、人間の誠実さと狡さを見た。

 

テレビでしかできないもの。

ドキュメンタリーだ。

これ、文化庁の大賞取った。うなずく。

 

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